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導入事例

立正大学地球環境科学部様

立正大学 地球環境科学部 導入事例

導入製品
  • SMALL
  • FOUR-r
カテゴリー
  • 文教分野
  • 立正大学
    地球環境科学部 小松 陽介 教授
  • 立正大学
    地球環境科学部 松尾 忠直 助教
大学における アクティブ・ラーニング の実現に向けてICTを活用し、そして地域連携と社会貢献を目指した取り組み

立正大学様では、文部科学省が公募によって大学を支援する「大学教育再生加速プログラム」(Acceleration Program for University Education Rebuilding)に採択されたことにより、学内にAP運営委員会を立ち上げ、こちらの組織を中心にICTを活用した授業を積極的に行っておられます。

本プログラムで中心的な役割をされている地球環境科学部の小松陽介教授、松尾忠直助教にお話を伺いました。

学校名
立正大学
学長
山崎 和海
URL
http://ris-geo.jp/

立正大学は長い歴史の中で変わらず受け継がれてきた建学の精神に基づき、これからも「人類社会の発展に貢献しうる人材」を育成し、社会に送り出していきます。

立正大学地球環境科学部様

立正大学様の「大学教育再生加速プログラム」 (以下APと略す)は
以下の4つの取り組みから構成されています。

A:タブレットを用いた双方向授業
B:予習用動画の作成と公開
C:学生主体のフィールドワーク
D:リアル教材の収集と活用

このインタビューでは、それぞれの取り組みのお話を伺いました。

Q.Aの『タブレットを用いた双方向授業』について詳しくお聞かせください。

立正大学 地球環境科学部
松尾 忠直 助教(以下、松尾様):これまで、紙に書いて集めて配ったりしていたことを、タブレットで行うようにしました。 APの取り組みをスタートしてからは、その場で学生の意見をタブレットの画面にすぐに表示して共有できるようになったので、双方向のコミュニケーションが取れ、授業にスピード感が出てきました。

これによって、今まで受け身で授業を聞いていた学生が、主体的になって行動できるようになったのと同時に、基礎学力をよりいっそう定着させることができると考えます。

立正大学地球環境科学部様
立正大学地球環境科学部様

立正大学 地球環境科学部
小松陽介 教授(以下、小松様):具体的にアプリはロイロノートスクール を使っています。ロイロノートスクールは本来、ネットの情報や写真、音声から動画を作ることができるアプリなのですが、私たちは学生の意見を知るためのツールとして利用しています。

授業中に教員が質問をしたり、あるいはアンケートを取る等、いろいろな学生の答えを聞きながら、教員がさらにそこにコメントをつけて、場合によっては、学生にマイクを向けて意見を述べてもらいながら使っています。

Q.Bの『予習用動画の作成と公開』について詳しくお聞かせください。

立正大学地球環境科学部様

松尾様:反転授業の一環として、説明に時間のかかる授業では動画を使って予習してもらっています。

たとえば、地図の作図方法を実習形式で学ぶ『基礎地図学及び実習Ⅰ・Ⅱ』では、いままでは講義に続いて演習をして、まとめると時間切れで終わることが多かったのです。それでは、どうしても学生が授業の中で演習に取り組む時間が減ってしまいます。

APの取り組みがスタートしてからは、あらかじめ授業の前に技術的なことを動画で予習してもらい、授業が始まってから内容を補足する授業スタイルにしたことで、演習にじっくり時間をかけることができるようになりました。

学生が閲覧する動画は、富士ゼロックスさんのMediaDEPO(メディアデポ) という動画を共有できるクラウドサービスを利用しています。アカウントをもっている教員や学生がYouTubeのように動画をどこにいても閲覧できるシステムです。

小松様:いわゆる『講義』は予習動画で、『演習』は授業で学習するというようなカタチができるので、1コマで実質2コマ分の授業ができます。また予習動画は、学生が復習用としても視聴できるので利用の幅が広がります。

Q.Cの『学生主体のフィールドワーク』について詳しくお聞かせください。

立正大学地球環境科学部様

松尾様:これまではフィールドワーク実習の内容をあらかじめ教員側が用意していました。たとえば特定の地域の産業や文化について、教員が現地で2日程かけて案内した後、学生が自分で考えたテーマに基づいて、事前に準備した調査内容に沿って1〜2日でデータを集めていました。

フィールドワークそのものが アクティブ・ラーニング なのですが現地でタブレットを活用するなど新しい調査方法を取り入れています。

小松様:私が担当した『地理基礎巡検』では、市街地、河原、森林という異なる自然環境においてバードウォッチングを行いました。バードウォッチングの現場で『鳴き声図鑑』というアプリを使って、その地域に生息している鳥を探しました。

野鳥の姿や行動の観察には鳴き声を聞き分ける能力も必要です。タブレットで鳥の鳴き声を確認しながら、鳥の画像を元に双眼鏡を使って鳥を探せるので見つけやすくてとても良いと感じています。

立正大学地球環境科学部様

Q.Dの『リアル教材の収集と活用』について詳しくお聞かせください。

小松様:産業や文化を学ぶときに画像やデータなどのバーチャル素材だけでなく、標本などのリアル素材も収集し、それらを実際触れて実感できるという授業も行っています。たとえば『地域研究』という授業では、フィリピンの伝統的な衣装を実際に学生に触れさせて、より一層の知的好奇心を引き出したいと考えています。また、将来は学内での利用にとどまらず、近隣の小中学校や高校へ無償貸与するなどして、地域との連携を深めていく予定です。

Q.ハード機器の運用、タブレットの管理についてお聞かせください。

立正大学地球環境科学部様

松尾様:タブレット端末はAP事務局で保管し、充電や管理を行っています。

現在100台のiPadを40台収納用のカート2台(Tablet*Cart SMALL40とTablet*Cart FOUR-r40)で、保管と充電を分けて運用しています。

端末へのアプリのインストールやOSのアップデートは、Apple Configuratorを利用しています。

授業が始まる20分程前に、授業で使うiPadをTablet*Cart FOUR-r40に入れ替えて教室へ運搬しています。

立正大学地球環境科学部様
立正大学地球環境科学部様

学生への端末の貸出しは、学生証と引き換えに行っています。

貸し出しの際、番号を付した名刺用ホルダーのポケットに学生証を入れ、授業後、学生証を返します。どの学生に何番の端末を貸出したのかが、わかる仕組みにしています。

スチール製扉の内側に、学生証や操作説明書のコピーなどの入るポケットをマグネットで取りつけてあります。

Q.貴学では標準仕様のカートと、キャスターをゴムタイヤタイプにカスタマイズした2種を ご利用いただいてますが、使用感の違い等お聞かせください。

松尾様:現在は、AP事務局のある地球環境科学部が、積極的にICTを活用した授業を行っていますが、他の学部でも同様の試みを普及させて、5年後には大学全体で取り組んでいきたいと考えています。

さらには、本校の授業用に作成した予習用動画などを、近隣の学校に公開して自由に視聴してもらえる仕組みも検討しています。
加えて他の大学とも協力して、 アクティブラーニング の普及に向けたシンポジウム等も計画しています。

立正大学地球環境科学部様
立正大学地球環境科学部様

小松様:私は、ロイロノートの開発担当の方と新しい機能追加などの相談をしたり、フィールドワークに使えるソフトの開発などを検討しています。

ロイロノートは基本的には小中学校向けですが、大学だからこそ、こんな使い方ができるってことをもっと紹介したいですね。

他メーカーでも、インタラクティブなアプリを開発されていますが、高機能すぎてマニュアルを見ないと使い方がよくわからない。機能を取り込み過ぎて、逆に、わかりにくくなるというところが出てくるので、その点をうまく整理したいですね。

最近は大学に限らず、小中高など教育現場でタブレットが導入されており、いろんな運用方法を勉強させていただいてます。教育の本質はあまり変わらないと思っていますが、細かな部分では大学とは異なります。小中学校の事例も参考になる部分は積極的に取り入れて、大学教育にICT活用を進めていきたいと考えています。

立正大学地球環境科学部様

インタビュー後記

立正大学 地球環境科学部様では、フィールドワーク実習に持ち運びに最適なタブレット端末を活用されています。機能性の面でも優れている機器と、操作性の良いアプリを選択することで、さらにICT教育と アクティブ・ラーニング の効果を高めているように感じました。また、こちらの学部では、大学の所在地である熊谷市等と地域活性化事業に取り組んでいる経緯もあり、今後はより一層地域連携を進めて地域社会への知の還元をおこっていかれるとのこと。予習動画を近隣の学校に公開して、自由に視聴してもらえる仕組みも検討されているなど、社会貢献にも積極的なご様子に、素晴らしい取り組みだと感じました。(M)

小中学校でのタブレット利用に関する事例は増えてきて話題に事欠きませんが、なかなか聞くことのできない大学の授業での アクティブ・ラーニング のお話を伺えました。ロイロノートを大学で活用したときの具体的な使い方、メリットが見えてきたと同時に課題などもあり、より一層改善できるよう取り組んでいるということで、今後の展開が楽しみです。また、立正大学 地球環境科学部様ではゴムタイヤタイプのFOUR-rをご利用されています。校舎間を移動中しているときに段差があっても、力を入れることなくスムーズに移動できる、というお話を聞けたのは開発者としては嬉しい限りでした。(T)

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製造・販売

エム・ティ・プランニング株式会社
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