Tablet*Cartのような充電保管庫は、タブレットやノートパソコンを複数台充電しながら保管をする収納ボックスです。
ただし、1つのコンセントで充電できる限界の最大消費電力は1500Wなので、基本的には、収納するタブレットやノートPCは充電器の最大消費電力の合計を1500W以内にしておく必要があります。
身近な例で言うとドライヤーと電子レンジを同時に使うと、家のブレーカーが落ちたりするときがあると思いますが、同じ現象が会社や学校で発生する可能性があります。
もくじ
左の図の96Wのノートパソコンを20台入れたいような場合では、物理的には保管庫にノートパソコンは20台入れることができますが、このまま全台数を同時に充電すると、合計の最大消費電力が1500Wを超えてしまうので、非常に危険です。
このままでは充電できませんが、上記の例で言うと、実は保管庫には20台のノートパソコンを収納しつつ、充電できる方法があります。
ここでようやくタイトルにある「コンセントタイマー」が登場する出番です。次の項目では、まず最初に基本的な考え方を説明します。
基本的な考え方は左図のように、OAタップにコンセントタイマーを付けて、複数の回路を作ります。
コンセントタイマー は、指定した時間だけ通電させる機能を持っているので、例えば、2つの回路の場合は、1つの回路を午前中だけ、もう一つを午後に分けるようにして、同時に充電させないようにすることで、「96Wのノートパソコンを20台充電保管庫に入れて充電を管理」することができます。
学校のように、40台の充電を行いたいが、40台を同時に充電するとブレーカーが落ちて授業が成り立たないなどの現象が発生することが想定されるときに活用されます。この方法は「輪番充電」と呼ばれ、GIGAスクールなどでは導入する学校が多くありました。
この記事では、一つの充電保管庫で1500W以上の最大消費電力となる複数台のタブレットやノートパソコンを管理したい場合に使うタイマーの活用方法と具体的に利用できるタイマーの紹介に加え、夜に誰もいなくなる会社や学校で充電をさせないためのタイマーなどについても紹介します。
充電保管庫で使うタイマーは「コンセントタイマー」と呼ばれるものを使います。
「コンセントタイマー」には、図のように大きく分けて3つのタイプがあります。
1)通電する日時を複数パターン指定できるタイプ
2)通電する時間を1パターン指定して繰り返すタイプ
3)電源を切るまでの時間を指定するタイプ
です。
使うシーンによってどのタイプのコンセントタイマーを選ぶかが変わってきます。コンセントタイマーの利用シーンは、
A)輪番充電用
B)夜間充電停止用・充電超過防止用
の2つのタイプが想定され、使うタイマーの種類を選択します。ここではコンセントタイマーの種類別に解説していきます。
最初に紹介するのは、リーベックスのPT80です。使い勝手がよく、プログラムが最大24パターン組めるので、自由度が非常に高い製品です。
自由度が高いということは、計画をしっかり立てて、間違わないように設定する必要があります。
動画は先代のPT70の解説なので、プログラム数は14となっています。また、コンセントの差し込み口が右側になっていますが、PT80の場合は下側になっているのでご注意ください。
設定方法などを詳しく解説しているので、興味を持った方はぜひ一度ご覧ください。
型番 | PT80 |
プログラム数 | 24パターン |
時間誤差 | 月差±4分以内 |
おおよそのタイマーには必ず時間誤差が発生します。ひと月に±4分以内の時間誤差が発生するので、1年が経過すると最大48分の時間誤差が出てくる可能性があるということです。
デジタルタイマーPT80を使った3回路の例では、PT80を3個使用して、時間別の通電を実現します。
PT80を接続するOAタップは接続できる横の間隔をとれる製品を選定することと、PT80に接続するOAタップが接続できるスペースを確保する必要がある点をご注意ください。
次もPT80と基本的には同じ機能ですが、OAタップと一体型になったコンセントタイマーTAP-RT1を紹介します。
PT80は回路分の個数のタイマーとOAタップが必要ですが、一体型になっているので準備としては楽になります。
輪番充電の回路は6回路作成でき、各回路のプログラム数は8個なので、自由度も高い製品です。ただし、本体は大きいためスペースを確保する必要がある製品でもあります。
サーキットブレーカーを搭載していたり、タイマーがOAタップと分離して手元操作ができたりとOAタップ組み合わせタイプならではの特徴が紹介されています。
型番 | TAP-RT1 |
プログラム数 | 8パターンx6口 |
時間誤差 | ±6秒/日 (周囲温度25℃の場合は±2.5秒/日) |
コンセントが6口付いていて、それぞれに8パターンのプログラムを組むことができます。また、設置環境に左右されるようですが、時間誤差が短いことが特徴です。
特に追加で必要な部品はないので、購入したらすぐに使うことが可能です。
注意点としては、各回路が同時に通電しないようにプログラムを設定するという点くらいです。
HS-AB6Hは上の2つと異なり複雑な設定がなく、左側の「15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間」というボタンを押したら、押した時点から押したボタンの時間だけ通電する コンセントタイマー です。
たとえば、「1時間」のボタンを押すと、「押してから1時間は通電して切れる」という製品です。
HS-AB6Hを使うと、曜日指定はできませんが、毎日同じ時間通電させることができます。
左図のように、通電したい時間に「入」ボタンを押して、通電させたい時間を押してから、「繰り返し」ボタンを押すだけで設定できるので、操作はこれまで紹介した製品と比較するととても簡単です。
この製品の最大のメリットは「設定が簡単」なことです。
簡単に操作できる様子が解説されている動画です。設定を変更するときも、特別な知識がなくても設定できるのがこの製品の良さで、それが理解できます。
型番 | HS-AB6H |
プログラム数 | 1パターン |
時間誤差 | 月差±2分以内 |
時間誤差が他社製品に比べて小さいのはメリットと思われます。
デジタルタイマーPT80と同じ構成で輪番充電を組むことができます。
このタイマーの弱点は何かのボタンを間違って押してしまった場合は設定が簡単に変更されてしまうのと、変更されたことがわからないので、ボタンを押されない場所にこのセットを隠しておく必要があります。
基本的な使い方は、一定時間のみの通電なので、会社や学校で人のいる時間だけ通電させるという目的にも使うことができます。
最後に紹介するコンセントタイマーのWH3101は、デジタルタイマーを超える簡単操作なタイマーです。
とても操作がシンプルなのと、これを充電保管庫で利用しているお客様がいたので、この記事で取り上げることにしました。
結論から申し上げると、このタイマーは「指定した時間後に通電を切る」「指定した時間後に通電させる」ことだけができるタイマーです。
パナソニックの公式動画ではありませんが、ダイヤルタイマーの使い方を解説しているので、どのように使うか気になる方はご覧ください。
投稿者の方は、スマートフォンを充電しすぎないようにするためにこのタイマーを購入したとのことです。
型番 | WS3101 |
時間誤差 | ±7.5分以内 |
時間誤差が表記されていますが、輪番充電で使うわけではないので、特に気にする必要はないと考えられます。
充電保管庫でこのタイマーを使う目的は、「タブレットやスマートフォン」の過充電防止という点に尽きます。メリットとしてはダイヤルを回すだけで設定できる「操作の簡易さ」で、デメリットとしては「毎回行う必要がある」という点です。しかし、複雑な設定や手続きがないため、利用者に最後に「ダイヤルを2時間分回してね」と伝えるだけで目的を達成できるという流れは、運用としては悪くないとは思います。もちろん「回し忘れてしまった」ことも発生する可能性もありますが。
充電保管庫で利用できて入手が簡単にできる コンセントタイマー の紹介をしました。最大消費電力1500Wを超えないという点は、タブレットPCやスマートフォンを充電しながら保管する際の忘れがちがポイントになりますが、抑えておかないと危険な状態につながるので、導入検討時はもちろん、導入後にも確認しておきたい事項です。(第二商品企画部 鳥居)
最後にまとめとして、各製品の比較表を記載しておきます。
デジタルタイマー PT80 | コンセントタイマー TAP-RT1 | ボタン式 デジタルタイマー HS-AB6H | ダイヤルタイマー WH3101 | |
メーカー | リーベックス | サンワサプライ | オーム電機 | パナソニック |
輪番充電 | 複数利用で可能 | 6回路まで可能 | 複数利用で可能 | 不可能 |
プログラム数 | 24パターン(1個) | 8パターンx6口 | 1パターン(1個) | |
設定の簡易さ | 複雑 | 複雑 | 簡単 | 簡単 |
標準価格 | 1,980円 | 23,800円 | 1,408円 | 2,750円 |
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